技能実習生の声2021.02.05
チャン スアン ヴォン(TRAN XUAN VUONG)さん 24歳
帰国したばかりの技能実習生の先輩から直接教えてもらえた
株式会社サンセイで技能実習生として働くもう一人のベトナム人は、チャン スアン ヴォンさん(24歳)です。
ヴォンさんは、ベトナムの首都ハノイに近いナムディン省ザオトゥイ県(GIAO THUY- Nam Định)出身です。ナムディンはハノイやハイフォンに次ぐ紅河デルタ地方第3の都市で、海に面した風光明媚な土地です。
日本で働く技能実習生
実習はなれましたか?
私はラムさんと同じ、道路資材の積み込み作業をしています。日本に来て1年経ちますが、最初は建設の経験がなかったので、大変でした。でも、慣れるにしたがって段々面白くなりました。
どうして日本で技能実習生になろうと思ったのですか?
実は日本に来る前、私は兵役についていました。日本はとてもルールや規律に厳しい国と聞いていました。でも、私は軍隊の生活を経験していましたから、日本でもやっていけるという自信がありました。だから、日本に行って、日本人の仕事のやり方、働き方を勉強したいと考えていたのです。
日本の仕事や生活は軍隊より厳しくないでしょう?
はい、そうですね。そんなに厳しくないです(笑)。私が学んだ日本語学校の先生はいつも「日本は厳しい国だから、気をつけなさい」と話していました。だから、相当覚悟していたのですけれど…。
建設の仕事を選んだ理由は何ですか?
私は地元のカフェで店員をしていました。でも、このままではいけない。若いうちに、自分の可能性を試したいと思っていたんです。あるとき、日本の外国人技能実習制度を知り、ベトナムの送出し機関に問合せ、日本側がどのような職種を募集しているか説明を聞きました。そのとき、いろいろな会社が様々な職種でベトナム人を募集していること、給料はいくらかなどを知り、建設の仕事を選びました。
日本に来る前に研修を受けたのですね。どうでしたか?
今思えば、日本で実際にやることになる作業を具体的に習得できたのは良かったです。何より役立ったのは、帰国したばかりの技能実習生の先輩から直接教えてもらえたことです。
日本に来てからの生活はどうですか?
日本に来たばかりの頃は、日本語がわからなかったので、とても困りました。電車の乗り方がわからず、人にどう聞いていいのかもわからなかった。乗換をどう調べるかとか。
実は、私は毎日、自転車で通勤しているんです。今、新型コロナのこともあり、電車に乗るのは控えたこともありますが、自転車に乗って日本の町並みを横目で見ながら走るのはとても楽しいです。片道10kmくらいで、通勤時間は45分です。川沿いも走るので、風景がきれいで、とても気持ちが良いです。
日本の生活はちょっと堅苦しいと思ったりはしませんか?
確かにそう思うときもありますが、私も最初は日本語でしっかりコミュニケーションできなかったので、仕方がありませんでした。でも、日本人は、周囲の人に迷惑をかけないよういつも気をつけて暮らしているところに感心します。
日本とベトナム
ベトナム人の性格の特徴は何でしょうか。日本人と違うところを教えてください。
これは日本に来て感じることですが、ベトナム人は働き方もそうですが、日本人に比べると何ごとも大雑把です。仕事より家族が大事。そういう生活態度です。
来日してから日本の印象は変わりましたか?
飛行機から降りて、町を見て一番に感じたのは、日本はきれいな国だということ。道にゴミは落ちていない。ちょっと緊張しました。
ベトナムで技能実習生の面接に合格してから、いろんな方からアドバイスをもらいました。「日本は厳しい。ルールを守らないと罰を受ける」と言われたことも。でも、実際はそんなことはありません。だんだん日本人の考え方がわかってきました。
メッセージ
インフラサポート協同組合のサポートで良かったことは何ですか?なにか要望はありますか。
静岡で日本語実技試験があったのですが、一番有難かったのは、組合の方が現地まで連れていってくださったことです。組合のベトナム人通訳の方の存在も大きかったです。仕事もそうですが、アパートの生活のルールなど、いろいろ教えてもらいました。
今思うのは、日本に来る前にもっと日本語を勉強しておけば良かったということです。日本語学校で勉強したのは1ヵ月でした。当時はわかっていませんでしたが、日本語教育をもっとやっていただけると有難いと感じています。
今後の抱負をお聞かせいただけますか。
いま私は独学で日本語の勉強をやっています。本当はひとりで勉強するのはつまらないと思うのですが、でもやりたいのです。自分の将来を考えると、もっと長く日本に住みたいからです。
もし技能実習生の期間が終わっても、特定技能に移行するか、いったんベトナムに帰国しても、日本に留学したいと考えるようになりました。
日本に来て、もっといろんな仕事を体験したいと考えるようになったからです。日本語ができるようになれば、自分にもっといろんな可能性が出てくると思うからです。